学長からのごあいさつ

甲南女子学園は1920年の学園創設以来、リベラルアーツ(自由教養教育)を根幹に据え、建学の精神「まことの人間をつくる」を理念として教育活動を推進してまいりました。開学52年目を迎えた甲南女子大学は自由教養教育を旗印に、女子高等教育の拠点校として「教養と品格、国際性を備え社会に貢献する高い志のある女性」の育成に努めています。

校訓は「清く、正しく、優しく、強く」。これこそが本学が育成する人材の基底(ファンダメンタルズ)と呼べるものです。自他に誠実なコミュニケーション力(清く)、しなやかな倫理と正義感(正しく)、多様性を受容する強靭な心(優しく)、勇気あふれる精神と行動力(強く)は、複雑化する現代社会を生き抜くための能力(コンピテンシー)であり、本学ではこれらをすべての教育活動の基盤に据えています。

甲南女子の基底(ファンダメンタルズ)を実現するための教育方針が「全人教育」「自学創造」「個性尊重」です。学園では100年近くにわたってこの方針が堅持されてきました。本学は看護や理学療法、児童教育など資格教育も積極的に推進していますが、それは専門家を養成するとともに人間を育てる教育でもあります。専門教育とリベラル・アーツの力強い統合こそが全人教育の神髄です。全人教育を実現するための指針が「自学創造」と「個性尊重」です。

教育現場において学生がそれぞれの個性とともに、人間として尊重されることが原点であることは論を待ちません。それを実現するために、本学は学生個人を科学的に把握し、個性に応じた教育を実践しています。学生視点を堅持し、学生のなかにさまざまな価値を創造していく「学生価値創造の教育」は、本学開発のさまざまな教育法とともにすでに高い評価をいただいています。

またそれを支える「自学創造」は、学生自身が主体的に学ぶという原則を確認するものです。これは、昨今の「教育の質向上」という課題のなかで議論されるアクティブ・ラーニングそのものといえます。本学は100年にわたって現代的な教育原理を堅持してきました。甲南女子大学は入学から卒業まで学生に伴走し、学生の能動的な学びを支援し続ける「学びの大学」です。

2001年からは常に新たな教育資源を開発し続け、たゆまず学部・学科創設、改組改革を実行してまいりました。現在本学は3学部10学科、大学院2研究科、すなわち看護リハビリテーション学部、文学部、人間科学部、大学院看護学研究科、大学院人文科学総合研究科からなりますが、さらに総合学園への道をまい進する所存です。

4年後、甲南女子学園は創立100周年を迎えます。今後も本学は地域と国際社会への貢献を念頭に、現代社会で活躍する有意な人材を育てる努力を続けてまいります。女子高等教育の拠点校として次の100年紀に向かって常に新教育分野開拓に挑戦しながら、「学生価値創造教育」を追及しつづけ、「学びの大学」として評価していただけるよう努力してまいります。

学長 松林 靖明

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