ふみ出す勇気を、支える力。

理学療法で支える「健康と勇気」。

できなかった動作ができるようになった。理学療法士のやりがいは、患者さんの回復をサポートできることですが、真の回復は、心の健康も取り戻すこと。そんな職業ををめざすきっかけになったエピソードを紹介します。

食物アレルギーの私のために、母が工夫してくれたあの日の思い出。

難病と診断を受けた祖父は
病院から退院して、ずっと自宅で療養していた。
そんな祖父を定期的に訪ねて、リハビリテーションを担当してくれる女性理学療法士さん。

彼女にお世話になるようになって、
祖父の笑顔をよく見るようになった。
住み慣れた空間で自然とリラックスできるのと、
そんな雰囲気をつくってくれる
理学療法士さんのおかげだと思う。

笑顔が増えたのは祖父だけじゃなく、
日々介護をしている祖母も、元気によく笑うように・・・。
「自主練習の効果がどれだけあるか、次回筋力測定するのでがんばってくださいね」と、二人に声をかけて帰っていく。
お年寄りが多い町内には、その理学療法士さんからリハビリテーションを受けている人が他にもいる。地域を元気にする存在。そんなやりがいをもって働きたい気持ちが芽生え、私は今、理学療法士をめざしている。

食欲のないおじいちゃんに、病院の方々がかけてくれた魔法。

大好きな母が脳卒中で倒れ入院したとき。
まだ高校生だった私は、なにもできずに、ベッドに横たわる母の顔を見つめて、ただ不安で心細い時間を送った。

そんな二人に明るい光を見せてくれたのは、
入院先の女性理学療法士さんだった。
家族への負担を心配する母に、「理学療法を行うことで、少しずつご自分で身の回りのことができるようになりますよ。退院したら何を一番にしたいですか?」と声をかけて、落ち込んでいる母が叶えたい目標を見つけてくれた。

母がどんな生活を望んでいるのかを感じとってくれ、
それを治療に生かすなんて、理学療法士って素敵だなと憧れるように。
退院を控えたある日、「あなたがいてくれて、本当によかった」と、母が担当の理学療法士さんに言葉をかけた瞬間。
憧れが決意になった。

食べることが大好きでしあわせ。そんな私に、父からの一言。

バレーボールが大好きで、高校も強豪校に入学。
それなのに、致命的なけがでバレーを続けられなくなってしまった。
ふさぎこむ私に、「マネージャーとして、仲間と一緒にがんばってはどうだ」と監督が声をかけてくれた。

最初は、みんながプレーする姿を見るのがつらかったけど、
だんだん、メンバーをサポートすることにやりがいを感じるように。
そのうちに、けがをした自分だからこそできることがあるのではないかと思い、ストレッチやテーピングを調べるようになって、理学療法士を知った。
コンディションを整えるだけじゃなく、競技者だった私なら、気持ちにも寄り添うことができる。バレーボールをがんばってきた経験が、きっと活かせる。

テーピングを直して、コートに戻っていく仲間を見ながら、
この先もずっと、がんばるアスリートと一緒に
歩んでいきたいと思った私は、
今、理学療法士になるために学んでいる。