全学および各学科の教員養成の目標等は以下の通りである。
甲南女子大学は「まことの人間をつくる」を建学の精神とし、「全人教育・個性尊重・自学創造」を教育方針に掲げている。これらを基盤に、品格と国際性を備え、社会に貢献する高い志を持つ女性の育成を大学の使命としている。この建学の精神に基づき、教職課程では、幅広い視野と教養を身につけ、高度な専門性および教職への強い使命感を有する教員を養成することを目的としている。この目的を実現するために、本学では少人数教育および個々の学生に応じた教職支援を教員、教職支援センターが組織的、一体的に行っている。こうした支援を通じて、学生が自らの課題を見出し、明確な目的意識の下で専門性の向上に主体的に取り組み、生涯にわたって「学び続ける教師」の育成を目指している。
▶︎中学校教諭一種(国語)・高等学校教諭一種(国語)免許課程
日本語日本文化学科では、正しい日本語と奥深い日本文化を基礎から幅広く学ぶことを教育課程編成・実施の方針としている。これに基づき、本学科の教職課程では、日本語、日本文学、日本文化について幅広い知識と深い教養を備えた国語科教員を養成することを目的とする。このため、本学科では、少人数制の演習を中心にさまざまな学習の機会を学生に与え、また各教員がきめ細やかに学生を指導することを通じて、教員にふさわしい資質の涵養を目指す。
▶︎中学校教諭一種(英語)・高等学校教諭一種(英語)免許課程
国際英語学科では、日常の英語運用能力、言語や文化の理解、グローバルビジネスなどの専門知識を身につけた中学校高等学校英語教員を養成する。そのためカリキュラムには、多くの英語関連科目のほか広範にわたる分野の専門研究科目を必修科目、選択科目として置いている。同時に授業外には、e-space(専任教員が常駐し、英語のみで活動する自習スペース、資料スペース)を設置し、生きた英語運用能力を育成している。また小学校の外国語(英語)導入に対応し、小学校教員免許の取得(神戸親和大学通信教育部との協定による)や学科独自の「児童英語教員養成プログラム」の履修を推奨している。
▶︎幼稚園一種免許課程
総合子ども学科では、子どもの発達を総合的に捉える「子ども学」を中心に、広く教育現場で活躍できる高度な専門性を備えた人材の育成を目的としている。そのため、幼稚園教職課程では、子ども理解に基づいた総合的な指導力、豊富な現場体験を生かした高度な実践力、同僚との協働関係の構築を可能にするコミュニケーション能力、ならびに新たな教育課題に積極的に取り組む姿勢を有する教員の養成を目指す。
▶︎小学校一種免許課程
総合子ども学科では、第1に、「まことの人間をつくる」という建学の精神に貫かれた学びを通じて、豊かな人間性と柔軟なコミュニケーション力を身につける。第2に、「子ども学」を軸とした多彩なカリキュラムを通じて、子どもを広く深く理解する。第3に、きめ細かい、丁寧な指導を通じて、高い専門性を身につけた「学び続ける教師」を目指す。以上の3つの観点を通じて、質の高い小学校教員養成に取り組む。
▶︎養護教諭一種免許課程
看護学科では、看護学の専門性にのっとり、学校教育における幼児・児童・生徒及び教職員を対象とした学校保健活動と養護実践の基盤を培う。そのために、看護学の専門的知識・技術をベースに、1年次から4年次まで系統的に教職科目及び養護専門科目を配置する。また、4年次には、学校教育に関わる多職種と連携する基礎的・実践的知識の向上にむけて、学生が主体的に課題を探求するための演習を通して、生涯にわたって「学び続ける養護教諭」を養成することを目指している。
▶︎栄養教諭一種免許課程
医療栄養学科では、栄養教育に関する高度専門知識ならびに技術を習得した管理栄養士が、国民の生涯にわたる食育推進に寄与することを理念とする。学校教育では、教科学習における食に関する指導の実践・普及を進めると共に、健康診断などと連携し個々の児童生徒の健康状況に見合った栄養教育を担う栄養教諭を養成する。
- 日本語日本文化学科 [中学一種(国語)・高校一種(国語)](PDF:185KB)
- 英語文化学科 [中学一種(英語)・高校一種(英語)](PDF:186KB)
- 多文化コミュニケーション学科 [中学一種(英語)・高校一種(英語)](PDF:194KB)※
- 心理学科 [中学一種(社会)・高校一種(公民)](PDF:224KB)※
- 総合子ども学科 [幼稚園教諭](PDF:71KB)
- 総合子ども学科 [小学校教諭](PDF:72KB)
- 文化社会学科 [中学一種(社会)・高校一種(公民)](PDF:207KB)※
- 生活環境学科 [中学一種(社会)・高校一種(公民)](PDF:207KB)※
- 看護学科 [養護教諭](PDF:148KB)
- 医療栄養学科 [栄養教諭](PDF:111KB)
教員免許取得希望者に対し、神戸市教育委員会協力のもと、学内で神戸市学生スクールサポーター募集の説明会を開催し、学生がスクールサポーターとして教育現場で活動できる環境を整えている。また、教育実習に先立って、学校でのボランティアに参加する仕組みも有している。さらに、一部授業科目で、教員経験者をゲストスピーカーとして招き、現場の声を聞くことができる内容とするなどしている。
また、教職課程履修者が本学園併設の甲南女子中高等学校において授業見学をする機会も設けており、現場の教員との対話などを通じて、実践力を養う取り組みも行っている。
一方で、教職員が都道府県の実施する教員採用試験に係る説明会や、全国私立大学教職課程研究連絡協議会・阪神地区私立大学教職課程研究連絡協議会が実施する研究会・セミナー等に参加し、最新情報の収集や知識を深める努力を行っている。